将来計画及び運営方針 289
5-7 化学系研究設備有効活用ネットワークの構築
法人化以降の国立大学等に対する予算の仕組みの変更と近年の国の財政状況の悪化の為に,全国の大学や研究所の 老朽化しつつある機器に対する適切な予算措置がなされておらず,教育研究活動に大きな支障が出てきている。この 緊急事態を受けて,化学系研究所長・センター長懇談会,国立大学法人機器・分析センター会議等で議論を重ね,機 器の復活再生と新規機器の導入を行い,全国規模でこれらの機器を相互利用して有効活用を行う組織を構築すること を目指して,分子科学研究所から「化学系汎用機器共同利用ネットワークの構築」の概算要求を行うこととなった。 この結果,全国75の機関が参加し,平成18年2月25日に「化学系汎用機器共同利用ネットワーク協議会準備会」 を岡崎コンファレンスセンターで開催し,ネットワークの目的や地域のネットワークの在り方等に関し意見を交換, 平成19年度の概算要求を行うことを決定した。また,平成18年4月15日に12地域の委員長と分子研の担当者が 集まり作業部会を開催,同年4月27日の「第1回化学系汎用機器共同利用ネットワーク協議会」において概算要求 の内容が決定された。更に,科学技術・学術審議会学術分科会におけるヒアリングを受け,「化学系研究設備有効活 用ネットワークの構築」事業として初年度 28 億円の要求が文部科学省から財務省に提出された。しかしながら,年 末に財務省がまとめた政府案には,19年度は調査費相当の 950 万円が計上されたに止まり,幾つかの要望事項が付 けられた。一方,この事業が正式に認められ,「化学系研究設備有効活用ネットワークの構築」(平成19〜23年度) の目的が,「国立大学における研究設備の老朽化等による危機的な状況を改善し,我が国の研究教育の基盤崩壊を防 ぐとともに,先導的研究を推進するため,化学系の教育研究組織を持つ全国の機関が結集し,全国的な連携調整の下 に「老朽化した研究設備の復活再生」及び「最先端研究設備の重点的整備」を行い,これらにより整備された設備及 び既存の研究設備で外部に公開可能な設備を対象として,全国・地域有効活用ネットワークを構築し,大学間の研究 設備の有効活用を図ること」が確定した。この結果を受けて,平成19年1月26日「第1回化学系研究設備有効活用 ネットワーク作業部会」が分子科学研究所で開催され,19年度には既存設備を用いて相互利用を全国レベルで試行 することに決定し,その試行設備の選考と20年度概算要求の方針,並びに各大学での手続き等について協議された。 作業部会では,有効利用を実証する為に120台の相互利用設備を選定し,ネットワークの利用申込みシステム及び利 用料徴収システムを4月より稼働させることを決定した。これに伴い,ネットワークの全国的な周知を図るためのホー ムページ(http://chem-eqnet.ims.ac.jp/)が開設された。大学共同利用機関としての分子科学研究所の本活動が,我が国 の化学の教育研究活動の基盤の構築に寄与することは,化学系の唯一の共同利用機関としての重要な役割となるであ ろう。